えこあくと2006
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亜酸化窒素は、温室効果やオゾン層破壊作用により地球環境を破壊する。したがって、その使用量削減は地球環境保全の面でも大きな問題となり、全静脈麻酔法や吸入麻酔における完全閉鎖式あるいは低流量麻酔法が推奨される。熊本大学医学部附属病院の全身麻酔における亜酸化窒素の使用頻度及びその消費量の15年間の推移を調査した。 全身麻酔件数に占める亜酸化窒素使用件数は1990年(平成2年)の93%から2004年(平成16年)には49%に減少した(図4-6)。亜酸化窒素を用いない全身麻酔はプロポフォールと鎮痛薬による全静脈麻酔や酸素・空気・セボフルランによる吸入麻酔で施行された。低流量麻酔は、1990年と1995年(平成7年度)には全くなかったが、2000年(平成12年度)は1,102件(亜酸化窒素の46%)、2004年は1,220件(同75%)で行われた(表4-1)。 亜酸化窒素の総消費量は、1990年の1,314 kLから2004年にはその約30%の413 kLと著明に減少した(図4-7)。医学部附属病院麻酔科医学部附属病院中央手術部熊本大学医学部附属病院の全身麻酔手術中における熊本大学医学部附属病院の全身麻酔手術中における亜酸化窒素の消費量の抑制と地球環境の保全への配慮亜酸化窒素の消費量の抑制と地球環境の保全への配慮熊本大学医学部附属病院の全身麻酔手術中における亜酸化窒素の消費量の抑制と地球環境の保全への配慮図4-6 全身麻酔における亜酸化窒素使用の有無図4-7 亜酸化窒素総消費量の推移表4-1 低流量麻酔の普及Kumamoto University25※数字は全身麻酔件数に対する亜酸化窒素使用件数の割合93 %0199019952000200419901995200020041,0002,0003,00097 %89 %49 %05001,000亜酸化窒素消費量全身麻酔件数(kL)亜酸化窒素使用有 無19902,2082,0540019952,0812,0230020002,6782,3951,1024620043,3041,6191,22075年全身麻酔件数亜酸化窒素使用件数(A)低流量麻酔件数(B)(B)/(A) (%)(年)(年)

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