えこあくと2007
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環境ISO(ISO14001)を実践してみてKumamoto University21大学における環境ISOの効果についてサノフィ・アベンティス株式会社猿渡 淳二(平成16年度卒) 私は環境ISOの構成員として薬学部で勉学に励み、卒業してから東京の製薬企業に勤めています。皆さんご存じのように、企業では新人研修が行われ環境教育もその中に含まれています。しかし新人研修では同期入社の社員と同じ環境教育を受けてきましたが、それでも他大学の出身者に比べて環境に関する意識が高いように感じます。 これは企業内だけでなく普段の生活でも感じ取れます。例えばペットボトルのごみ出しのときです。薬学部ではペットボトルはふたと包装をはずし、中身を洗浄してからペットボトルの分別を行っていました。しかし東京の家の近くのごみ捨て場では、ふたや包装が付いていたり、ペットボトルの中身が残っていたりすることが目につきます。このようなときに、環境ISOの効果を感じ取ることができました。 近年では、暖冬などの気温の上昇により地球温暖化を実感することができ、ガソリンや食用油の価格高騰から資源枯渇の危機を感じ取れるくらい環境問題が深刻化されてきています。環境教育は環境問題を完全に解決するものではありませんが、これ以上悪化させないためにも非常に重要な教育であると感じます。また環境に対して意識して行動するだけで、他人から信頼される人間と認められることもあります。 環境ISOは熊本大学でも一部の学部でしか実行されていないことを知りました。「熊本大学出身の学生は、環境に対する意識レベルが高い」と言われるような環境教育体制の構築を期待します。【薬学部】大学での環境教育について三菱レイヨン株式会社 畑江 陽子(平成18年度卒) 私は大学時代、工学部物質生命化学科においてISO関連の講義や、学生実験、日々の研究活動を通じて環境に関する教育を受けてきました。大学4年の卒業研究及び大学院の2年間では、日々の研究を行っていく中で、有機溶媒、重金属等の廃液の分類、薬品の管理等、化学物質を取り扱う者としての環境に対する責任を学びました。 現在も、企業において化学物質を取り扱う研究を行っています。企業における事業活動は、事業、製品、サービスが環境に対してどのように貢献できるかということを常に考えていかなければなりません。研究に携わる早い時期から、環境教育を受けてきたことで、環境に対する意識は現在も非常に深く根付いています。大学時代の環境教育は、化学に携わる者としての責任を非常に深く浸透させてくれたと感じています。 環境教育は非常に大切なことだと思います。しかし、それ以上に大切なことは、それぞれが環境に関心を持ち、どれだけ自発的に行動できるかということだと思います。環境教育とは、ただ単に勉強するものではなく、自分の中に浸透させ、継続して個々が取り組み、そして組織全体が一体となって取り組んでいくことであると考えています。 今後も、大学での環境教育を活かし、持続的な環境改善を推進していくために、自ら考え、これらの取り組みを持続していきたいと考えています。【工学部物質生命化学科】

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