えこあくと2011
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国立大学法人 熊本大学学長トップメッセージ 東日本大震災を真摯に受け止めて、我が国の復旧・復興に向けた全国民的な取り組みが進められています。本学も、できる限りの支援を息長く続けていくことを表明しています。この大震災は、私達に今日の社会が有する多くの課題をも明らかにしました。特に、福島第一原子力発電所の事故に関連して、九州地域においても電力不足という身近な課題が浮かび上がり、この夏は、省エネルギーやエネルギー問題全般に関して広く議論されることとなりました。エネルギー問題は、原子力の利用を含めて中長期的な視野で考えなければならない重要な課題ですが、その中で、省エネルギーの問題は、我々一人ひとりが自らの問題としてその対応についてこれまで以上に真摯に考え対応する機会となりました。周知の通り、我が国のエネルギー消費量の中で、産業用は45%程度で、残りの55%は、運輸関連の25%程度に加えて、いわゆる、我々の日常生活に関する民生エネルギーの30%程度から構成されています。この夏のエネルギー危機を乗り越えるための省エネルギーに関して、各産業分野の努力はもとより、各家庭の省エネルギー努力が大きく期待された所以です。 現在のそして近未来に向けてのエネルギー問題や省エネルギーへの取り組みは、環境問題を克服する取り組みです。我が国が環境先進国として省エネルギー技術に関しては世界をリードしています。これからも環境先進国としての役割を果たし続けることで、我が国は世界に冠たる存在であり続けることで、環境関連産業の育成・振興の新たな発展が期待されています。本学も、環境モデルキャンパスの実現に向けた努力を一層進めたいと思います。学生諸君や社会の皆様に誇れるエコキャンパスを実現したいと思います。さらに、「持続的な循環社会」の構築に向けて、新しい価値やライフスタイルを生み出しつつ技術的な革新の成果を取り込んでイノベイティブな「低炭素社会」に向けた着実な前進によって、社会の憧れの先進的エコキャンパスを目指したいと考えています。 本学では、循環型社会の一員としてエコキャンパスを実現するという「環境理念」と「環境方針」を制定し、環境安全センターと連携しながら「施設・環境委員会」を全学的な司令塔として、キャンパス整備、施設・設備有効活用、省エネルギー推進、環境活動推進、交通対策などを所掌するワーキンググループが環境保全や環境の改善・創造にあたっています。その環境関連活動は、本報告書に記載した通り、「低炭素スタイル」、「循環型スタイル」、「自然共生スタイル」の観点からの活動に分類されています。さらに、それぞれの活動の成果を数値的に「見える化」することで状況を視覚的に把握して、それを統一的に「環境マネジメント活動」として取りまとめることで、エコキャンパスの実現に向けた取り組みを進めるとともに、その成果を社会に還元することを目指しています。 また、省エネルギー活動標語を毎年募集して、省エネ活動の推進に務めています。今年の第4回の標語募集においては、≪教職員・学生部門≫で、本学職員の横井 裕之さんの「省エネは わたしもできる ボランティア」が、≪生徒部門≫では、附属中学校3年生の西 梓里さんの「変えるのは 温度じゃなくて 意識から」、また≪児童部門≫では、附属小学校3年生の中村 葵さんの「けしたかな 地球にやさしい 心がけ」という作品が、それぞれの最優秀賞に選ばれました。省エネに取り組む真摯な姿勢が見事に表現されています。 本学は、これからも環境マインドを持つ学生の育成、教職員一人ひとりへの環境意識の定着など、環境の改善・創造を担う人材(財)を育てる取り組みとともに、本報告の内容を詳細に点検しながら、心を新たにして、地域社会とともに持続的な循環型社会の構築に向けて「エコキャンパス」の実現を全学的に進めたいと考えています。 この環境報告書は、本学の2010年度の環境保全活動等を「エコアクト2011」としてまとめたものです。今年の報告書は本学の環境関連活動の新しい取り組みの枠組みに従って記載しましたので、これまでの報告書とはいささか異なった構成になっています。しかし取り組み状況がより分かり易くなるようにまとめられていると思います。これらの取り組みに対する皆様方からのご意見等いただければ幸いです。2011年9月環境モデルエコキャンパスの更なる進化に向けてKumamoto University02

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