えこあくと2011
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研究 〈 拠点形成研究 〉(1)地域水循環機構に基づく持続的水資源利用のフロンティア研究温暖化に伴う気候変化は、水資源の安定性を脆弱化しており、それに加わる加速度的な世界的人口増加は、水資源の持続的利用を脅かし、人類の存亡に係る重大な問題となってきている。限られた淡水資源を持続的に利用するためには、地域の水賦存量と水循環機構について、最先端の理論・計測法・データ解析法を用いた理工融合研究により解明し、それに基づいた適正な水利用の管理・運営策を構築する必要がある。それとともに、限られた淡水資源の人為的な汚染を回避するための環境負荷低減策の高度化が不可欠である。本研究拠点は、2007年度に終了した『水環境汚染物質の動態評価研究』拠点形成で構築された自然科学研究科複合新領域科学専攻生命環境科学講座のメンバーを中心として、①水循環機構・構造の実態解明②水質浄化システムの高度化を含む 水域負荷軽減技術の開発③水環境の生物化学的環境評価の三つのサブグループから構成する研究グループを中心に、地下水を中心とした水資源の持続的利用の先進地域である熊本地域を対象に方法論を構築した後、海外共同研究や留学生指導等を通じて東南アジア・アフリカ方面への適応、発展を試みることで、先導的研究の推進と、総合的な研究能力と高度な洞察力を有する創造性豊かな人材育成を目指すと共に、各種外部資金やプロジェクトの申請を通じて新たな拠点形成を目指して活動している。2010年度の特筆事項として、拠点形成Gの使命であるグループとしての大型プロジェクトの申請をこれまでに継続して実施してきた結果、2010年8月に戦略的環境リーダー育成拠点形成(JST)『地下水環境リーダー育成プログラム(GELK)』(2010-2014年度,実施責任者:瀧尾 進)が本研究拠点に関係した大学院博士課程教育プログラムとして採択された。また同様に研究サイドでの大型プロジェクトとして、昨年度に引き続いて申請した戦略的基礎研究推進事業(CREST)経費『地域水循環機構を踏まえた地下水持続利用システムの構築』(2010-2015年度,研究代表者:嶋田 純)も2010年10月に採択され、これで教育・研究両面での大型プロジェクトに支えられた拠点形成活動に着手できる素地が完成した。今後はこれらの大型資金を有効に活用して、全国的に評価されるような『地下水』に関わる研究拠点を本学に形成する方向で努力・邁進してゆく所存である。59Kumamoto University自然共生スタイル | 環境配慮5自然共生スタイル 環境配慮第5章

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