えこあくと2011
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サルボウ010,00020,00030,000漁獲量(10年後) [t]なぎさ線回復 1なぎさ線回復 2覆砂 2海底耕耘 2海底耕耘 1カキ礁復元 2覆砂 1カキ礁復元 1囲繞堤 2ノリ養殖 2囲繞堤 1現況ノリ養殖 1粗朶搦工 1粗朶搦工 202004006008001000貧酸素水塊発生規模 [格子・day]DO<1.5mL/L1.5~3.0mL/Lなぎさ線回復 1なぎさ線回復 2覆砂 2海底耕耘 2海底耕耘 1カキ礁復元 2覆砂 1カキ礁復元 1囲繞堤 2ノリ養殖 2囲繞堤 1現況ノリ養殖 1粗朶搦工 1粗朶搦工 2(2)閉鎖性沿岸海域における環境と防災、豊かな社会環境創生のための先端科学研究・教育の拠点形成“有明海・八代海再生”への取り組み1.「なぎさ線の回復」が有明海再生に最も効果的 !! 平成17年度~平成21年度の5カ年間の研究で、昨年度終了した文部科学省科学技術振興調整費による有明海再生のプロジェクト、『有明海生物生息環境の俯瞰型再生と実証実験(熊大代表:滝川教授)』の研究成果がまとめられました。その中で、熊本大学滝川教授が提唱している「なぎさ線の回復」が貧酸素水塊の制御や生物の増加などに最も効果的であることが分かりました。この有明海再生プロジェクトでは、再生技術として他に「覆砂」「海底耕耘」「囲繞堤(いじょうてい)」「カキ礁の復元」などの現地試験を実施し、得られたデータを基に改善効果をコンピューターで解析しました。その結果、なぎさ線を有明海の湾奥部に復活させるだけで貧酸素水塊を約半分に減少させ、また、サルボウなどの2枚貝類を最も増やせることが分かりました。今後の有明海再生技術の事業化に向けて、大いに期待されています。2.浚渫土砂を有効活用した「新規環境材料」を 産学連携で開発!! 大量に発生する浚渫土砂や海底の底泥(ヘドロ)と紙の製造工程で生じる繊維カス(PS灰;ペーパースラッジ)を混ぜ合わせて「造粒物」を作る技術を、日本製紙(株)、(株)福岡建設と熊本大学の滝川研究室との共同研究で開発しました。廃棄物である浚渫土や底質環境悪化の原因である海底のヘドロなどから環境に優しく、土質を改良でき、砂の代替材料として活用できる画期的な環境材料です。様々な試験や現地実証実験を実施し、アサリの稚貝などの生物が確認され、安心・安全な新環境材料が誕生しました。現在は、さらなる用途開発が進められています。熊本港「北なぎさ線」:多数のアサリ貝やタイラギ等の着床・生残を確認PS灰:ボイラーで燃料を燃焼した後に発生する灰のこと (ペーパー・スラッジ灰)浚渫土:水中で掘った土砂、底泥のことPS灰を混ぜると、粒を形成しやすくなります現地実証試験では、ソトオリガイをはじめ、アサリやトビハゼなどが確認された。PS灰浚渫土「干潟造成材料」・汚濁底泥の除去 ・底質環境改善Kumamoto University60自然共生スタイル | 環境配慮5

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