えこあくと2012
4/70

熊本大学の目的1. 一貫した理念のもとに 総合的な教育を個性ある創造的人材を育成するために、学部から大学院まで一貫した理念のもとに総合的な教育を行う。学部では、幅広く深い教養、国際的対話力、情報化への対応能力及び主体的な課題探求能力を備えた人材を育成する。大学院では、学部教育を基盤に、人間と自然への深い洞察に基づく総合的判断力と国際的に通用する専門知識・技能とを身につけた高度専門職業人を育成する。また、社会に開かれた大学として、生涯を通じた学習の場を積極的に提供する。2. 最先端の創造的な学術研究を 積極的に推進高度な学術研究の中核としての機能を高め、最先端の創造的な学術研究を積極的に推進するとともに、人類の文化遺産の豊かな継承・発展に努める。また、総合大学の特徴を活かして、人間、社会、自然の諸科学を総合的に深化させ、学際的な研究を推進することにより、人間と環境の共生及び社会の持続可能な発展に寄与する。3. 地域における研究中枢的機能及び 指導的人材の育成機能を地方中核都市に位置する国立大学として地域との連携を強め、地域における研究中枢的機能及び指導的人材の養成機能を果たす。世界に開かれた情報拠点として、世界に向けた学術文化の発信に努めることにより、地域の産業の振興と文化の向上に寄与する。また、知的国際交流を積極的に推進するとともに留学生教育に努め、双方向的な国際交流の担い手の育成を目指す。 この夏の九州北部大豪雨は、阿蘇地域や熊本市内に多大な被害をもたらしました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。災害復旧に向けては本学の学生諸君もボランテイアの救援活動に大きな力を発揮していただきました。学長として、学生諸君の活動を大変誇りに思っています。また、関連専門分野の職員の皆様には、今般の自然災害の調査等を通じて、今後の防災・減災に向けた取り組みにも力を注いでいただいています。昨今の自然災害は人々に環境意識の益々の高まりと質の高い対応への要請にも繋がっています。 環境問題は、とりもなおさずエネルギー問題でもあり、Energy, Economy,Environmentの3つのEを一緒に考えながら、叡智を集めて、これらを一体的に解決していくことの重要性が今後益々大きくなります。我が国は、「グリーンイノベーション」による「環境・エネルギー大国」への方向性を掲げています。今後、私達の生活や産業活動の基盤としてのエネルギーをどのように確保しながら、温室効果ガスの総排出量を削減するとともに、エネルギーの高い利用効率を実現する省エネ技術や新エネルギー開発など、環境やエネルギーに関連した我が国の科学技術の強みを活かして世界に冠たる環境モデル先進国へと進化していく道筋を、全ての人々が恊働して確実に実現していかなければなりません。 本学は、地域の環境リーダーとしての役割を自覚して、まず、キャンパスを環境モデルエコ・キャンパスへと変貌させる取り組みを進めてまいりました。これからも社会に誇れる憧れのキャンパスへの進化を力強く着実に進めたいと思います。また、本学は、九州・熊本のイメージや土地柄にもマッチした環境関連産業の積極的な振興のため、環境・エネルギー関連の基盤的な科学・技術研究の推進に貢献したいと思います。 本学では「熊本大学環境方針」を2006年に制定し、2007年から環境方針を審議する環境委員会を稼働させました。さらに、2010年には、これまでの環境委員会を改組・充実した施設・環境委員会を設置し、これを全学的な司令塔とした環境マネジメント体制が運営されています。また、2011年度からは環境監査の実施体制も整えたところです。加えて、キャンパス整備ワーキンググループ(WG)、施設・設備有効活用WG、省エネルギー推進WGなどが、環境安全センターと連携して、全学のエコ・キャンパス化に向けた環境整備にあたっています。昨今の電力問題への対応では、臨時WGを設置する等、社会の変化に対しても迅速に対応してまいりました。 環境マネジメント活動として、特に、学部新入生全員に教養教育としての環境関連科目を提供して、学生諸君と連携した環境整備活動にも取り組んでいます。環境マネジメントとしては、「低炭素スタイル」、「循環型スタイル」、「自然共生スタイル」の3つを基本概念として取り組み、低炭素社会を目指した省エネルギー対策、ゴミの分別の徹底と排出量の削減、水資源の保全や環境汚染物質の管理にも尽力しています。これらの活動や取り組みは、この環境報告書「えこあくと2012」に示されています。報告書の内容表現に工夫を加え、一目で内容が理解いただけるように見やすくなっています。 また、例年、学内で省エネルギー活動標語のコンテストを実施しています。2012年の第5回の標語募集において、500件を超える応募作品の中から、≪児童部門≫では、本学の附属小学校3年生の小川 愛乃さんの「節電は 昔の知恵を 知るチャンス」が、≪生徒部門≫では、本学の付属中学校3年生の井形 公洋さんの「省エネは 私を変える 第一歩」が、また、≪教職員・学生部門≫では、本学職員の横濱 功さんの「省エネは 未来も続く 新資源」という作品が、それぞれの最優秀賞に選ばれ、省エネ意識の涵養と省エネ活動に大いに役立っているところです。 もとより、環境の改善・創造については、それを担う人材の育成が極めて重要です。その意味で、環境マインドを持つ学生の育成と、教職員一人ひとりへの環境意識の定着にも力を注いでいるところです。今後とも教職員と学生諸君、さらには地域の皆様とも連携協力しながら、「環境モデルエコ・キャンパス」の実現に向けて尽力してまいります。2012年9月教 育研 究地域貢献・国際交流国立大学法人 熊本大学学長トップメッセージ02Kumamoto University

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です