えこあくと2013
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移動能力の乏しい水産資源は、厳格な管理を行うことで持続的な漁獲が可能となり、漁獲量も増加することが見込まれます。合津マリンステーションでは、ハマグリの資源管理が不十分な熊本市白川河口と、厳格な資源管理が行われている福岡県糸島市加布里湾で、2006年1月より定期的な定量調査を行い、生活史特性の把握と比較、個体数激減の原因解明、さらに、資源管理技術の確立を行っています。研究の結果、大型のハマグリが少ない白川河口でも、稚貝の着底や成長は良好で、資源管理の有効性が示されました。また、2007年からは現在は使われていない車海老養殖場や真珠養殖場でのハマグリの養殖技術の開発を進め、車海老養殖場では生存率が高いこと、真珠養殖場の垂下養殖は成長が良好なことを明らかにしました。これらの養殖技術の確立は、車海老養殖場や真珠養殖場の有効利用にも繫がるものです。2.生物資源の持続的管理へ向けた取組 合津マリンステーションでは、臨海実習・理科研修・講演会・観察会といった多様な環境教育の取組を行っています。地元の環境を知ることは、環境保全の第一歩です。東日本大震災以降、「海は怖い」という漠然としたイメージを持つ子供たちが増えていると聞きます。このような時だからこそ、子供達が海に親しみ、海を正しく理解することが大切だと感じています。3.環境教育の取組合津マリンステーション.研究実習棟(左)と研究宿泊棟(右)高校生対象の臨海実習(ウニの初期発生観察)58Kumamoto University自然共生スタイル|環境配慮

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