えこあくと2013
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研究〈拠点形成研究〉1243図1:CREST『地域水循環機構を踏まえた地下水持続利用システムの構築』 プロジェクト概要http://accafe.jp/kumamoto_crest/詳細はを参照のこと熊本地域を対象に地下水を中心とした“水資源の持続的利用”に関する研究を行っています水循環機構・構造の実態解明水質浄化システムの高度化を含む水域負荷軽減技術の開発水環境の生物化学的環境評 123冒頭にご紹介する『地域水循環機構を踏まえた地下水持続利用システムの構築』プロジェクトは、本研究拠点の構成をベースとし、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)に採択(H22-27年度、代表 嶋田純教授)されたプロジェクトです(図1参照)。本プロジェクトでは、① 水循環解明グループ、② 水質浄化グループ、③ 水質評価グループの3グループにより、熊本地域を対象に1-3年間目に関連技術の開発と管理システムのあり方を構築した後、4-5年目に亜熱帯礁島嶼など水資源の乏しい地域への適用を通して地域水循環を踏まえた地下水資源の持続的利用システムの構築を目指しています。■1 :『地下水帯水層中での脱窒菌の振る舞い』シンポジウムの様子 ■2 :『地下水帯水層中での脱窒菌の振る舞い』シンポジウム巡検での記念写真■3 :『第三回GelK国際シンポジウム』参加者 ■4 :『第三回GelK国際シンポジウム』巡検の様子CREST研究におけるH24年度の特筆事項として、熊本大学にて埼玉大学との合同で、2012年11月17(土)~18(日)の二日間にわたり『地下水帯水層中での脱窒菌の振る舞い』と題したワークショップを開催したことが挙げられます。ここでは熊大や埼玉大以外にも静岡大学や琉球大学からも講師が招かれ、地下水硝酸汚染の原因や帯水層中における自然浄化機能‘脱窒’特性を理解する手段や研究例が紹介されました。持続的な水資源管理を進めるうえで帯水層中における脱窒菌の振る舞いを的確に捉える重要性が話し合われ、他大学ならびに県職員を含めた幅広い層からの質疑応答が活発に行われました(写真1-2)。一方、昨年度の本誌でもご紹介しましたが、本研究拠点に関係した大学院博士課程教育プログラムとして、戦略的環境リーダー育成拠点形成『地下水環境リーダー育成プログラム(GelK)』(H22-26年度)が採択され、東南アジア・アフリカの主に博士課程留学生を対象として、次世代の地下水環境リーダーを担う人材育成を推進しています。GelKにおけるH24年度の特筆事項として、 2013年3月5(火)~6(水)の二日間にわたり『第三回GelK国際シンポジウム』が開催され(写真3-4)、アフリカにおける水資源問題の現状および将来に向けた水管理に関する活動が紹介されました。国内外から招かれた4名の講師に加え2名のGelK教員による講演が行われ、日本では知る機会の少ないアフリカ地下水問題に関する現状が丁寧に紹介されました。さらにGelK学生を中心としたポスター発表も行われ、様々な角度から地下水・水環境研究の発表や議論が行われました。以上のように、本研究拠点をベースとした二つの大型プロジェクトを通して、地下水環境研究と教育の双方からの活動を展開しています。本年度はそれぞれ帯水層中における脱窒菌の振る舞いとアフリカの地下水問題に焦点を当てたシンポジウムを開催しましたが、来年度は次世代を担う学生ならびにポスドク生を中心とした若手研究者における地下水研究・教育活動をキーワードに研究会・シンポジウムの開催を計画しています。本研究拠点は自然科学研究科の複合新領域科学専攻と理学専攻地球環境科学講座のメンバーを中心としての三つのサブグループから構成されており、63Kumamoto University第 章05自然共生スタイル|環境配慮

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