えこあくと2014
3/82

今年もまた「異常気象」に基づく様々な自然災害が我が国を襲いました。この間の様々な災害で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。大豪雨等による多大な被害を見るにつけ、自然災害の脅威の大きさに改めて驚かされます。大学は、国や地域の行政はもとより産業界や市民の皆様などの英知を結集させて、防災・減災の対策について真剣に取り組むことが益々重要になっていることを再認識する必要があると思います。また、大学は、これからも社会の要請に応えて、自らのキャンパスを安全安心でかつ防災・減災環境のモデルとして整備し、加えて、日頃から地域の防災・減災の意識を醸成することで、防災・減災や環境保全に取り組むエコ意識を持った人材の育成に一層努めたいと思います。 我が国は、優れた環境保全や省エネルギーに関する極めて質の高い科学や技術を有することから、地球や人に優しい環境先進社会、世界に冠たる環境モデル先進国の実現を目指すという方向性を明確にしています。本学も、また、九州・熊本のイメージや土地柄とも一致した環境モデルエコキャンパスを目標とした取り組みを進めています。これからもこの環境モデルエコキャンパスの更なる充実と拡大に向けて、環境・エネルギー関連の基盤的・先端的な科学・技術研究の推進とともに、その成果をも活用して環境先進キャンパスの整備を着実にかつ飛躍的に進めたいと思います。 本学では「熊本大学環境方針」を2006年に制定し、2007年から環境方針を審議する環境委員会を稼働させました。さらに、2010年には、この環境委員会を改組・充実した施設・環境委員会を設置し、これを全学的な司令塔とした環境マネジメント体制を確立しました。また、2011年度からは環境監査の実施体制も整えています。さらに、キャンパス整備ワーキンググループ(WG)、施設・設備有効活用WG、省エネルギー推進WGなどが、環境安全センターと連携して、全学のエコキャンパス化に向けた環境整備にあたっています。 環境マネジメントの取り組みは、「低炭素スタイル」、「循環型スタイル」、「自然共生スタイル」の3つを基本概念として進めています。教育面では、環境マネジメント活動の一環として、学部新入生全員に教養教育「ベーシック」としての環境関連科目を準備して環境に関する導入教育を実施しています。また、学生諸君や教職員全てが連携して、全学的に低炭素社会を目指した省エネルギー対策、ゴミの分別の徹底と排出量の削減、水資源の保全や環境汚染物質の管理にも取り組んでいます。さらに、本学の様々な環境活動を地域の皆様や保護者の皆様を含めて広く社会に理解いただくために、環境情報を「見える化」するなどの環境コミュニケーションの充実にも力を注いでいます。 2013年度の活動や取り組みの詳細は、この環境報告書「えこあくと2014」に示されています。昨年の報告書を踏襲しながら、皆様に「えこあくと」の活動を理解いただき易いように、可能な限り文字を減らして、写真や図表を多く取り入れています。また、この報告書の中には、学内外に発信するために2年程かけて取り組んできた「熊大歌留多読み札」(本学の魅力や特徴を「歌留多の読み札」風に表現したもの)から環境に関係する内容のものを挿入しています。学生諸君や教職員の自主的な活動についても随所に記載しています。 近年のこのような編集上の努力が実って、作製した報告書は2011年度版の報告書の「えこあくと2012」に続いて、昨年の「えこあくと2013」も環境コミュニケーション大賞の環境報告書部門において環境配慮促進法特定事業者賞を受賞するという快挙を成し遂げました。(参照:本報告書 p.18; http://www.gef.or.jp/eco-com/ 17thhyosyoshiryou.pdf)この報告書の質の高さと見やすさが高く評価されています。 また、今年も学内で省エネルギー活動標語のコンテストを実施いたしました。近々、2014年の第7回の応募作品の中から、≪児童部門≫、≪生徒部門≫、≪教職員・学生部門≫の最優秀賞が選ばれることになっています。この標語募集活動は、例年、学内教職員や学生・生徒諸君の省エネ意識の涵養と本学の省エネ活動に極めて大きな役割を果たしています。 環境の改善・創造に不断に取り組み、その成果を維持・発展させていくためには、それを担う環境マインドを持つ人材の育成が大切です。本学は、教職員や学生諸君さらに地域の皆様と連携しながら、今後とも、環境意識の定着と防災・減災を志向した「環境モデルエコキャンパス」の充実と拡充に向けて尽力してまいります。2014年9月国立大学法人 熊本大学学長「創造する森 挑戦する炎」には、本学が熊本の地で長年培ってきた3つの特質・地域に身近で世界とつながる、機動力あふれる総合大学・実践的課題解決力を持ち粘り強く取り組む、パワーリーダーの育成と輩出・歴史や環境を活かして社会が求めるイノベーションを創出する、知的専門家集団をわかりやすく伝えたい、そして今後も守り育てていきたいという想いが込められています。揮毫は、かつて本学に在籍された漫画家・井上雄彦氏にお願いしました。トップメッセージ02Kumamoto University

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です