えこあくと2014
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研究〈拠点形成研究〉 マグネシウムは、実用金属中最も軽く、パソコンや携帯電話などに用いられてきました。我々は2003年に従来にない優れた強度と耐熱性を持つ革新的なMg合金を開発し、これを「KUMADAIマグネシウム合金」と名付けました。さらに2012年には不燃Mg合金を開発しました。これらの合金は日本のみならず世界の企業から注目されています。KUMADAI-Mg合金を例えば自動車や航空機などに応用すると、軽量化により二酸化炭素の排出をへらし燃費を向上させることができます。すなわち、KUMADAI-Mg合金は「環境に優しい材料」として期待されるものです。 熊本大学では、研究人材の育成と材料研究推進を図るために「熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC)」を設置し、Mg合金の研究開発拠点となることを目指しています。 現在、研究面では、文部科学省科研費・新学術領域研究「シンクロ型LPSO構造の材料科学(H23-H27年度、領域代表・河村能人教授)」を推進しています。KUMADAI耐熱Mg合金の強度発現の秘密は特異な結晶構造をもつシンクロ型LPSO構造相にあります。この相の結晶構造を知りたい、どのように出来るのかを知りたい、どのように強くなっているのかを知りたいという知的好奇心を原動力に学理構築を目指しています。ネットワーク構築においては、JSPS研究拠点形成事業「環黄海域における先進Mg合金に関する対欧米学術基盤ネットワークの強化(H24-26年度、代表・高島和希教授)」を実施し、本学が保有するMg合金の先進技術を基盤とし、東アジアにおける研究機関と相互補完的な共同研究を推進しています。先進マグネシウム国際研究センター(MRC)本研究拠点は 先進マグネシウム国際研究センター、自然科学研究科マテリアル工学専攻、 同機械システム工学専攻のメンバーを中心として世界最強のKUMADAI耐熱Mg合金と世界初のKUMADAI不燃Mg合金を技術的核とした先進マグネシウム合金の開発に関する研究を行っています。を目的に、12KUMADAIマグネシウム合金の開発と学理構築卓越したMg合金に関する国際研究教育拠点の構築43Kumamoto University第 章03低炭素スタイル|環境配慮

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