えこあくと2015
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Kumamoto University019拠点形成研究Bとは学内公募を通じて選出された、時代を先導する新たな価値を産み出す研究プロジェクトのうち、今後世界トップレベルを目指しうる研究プロジェクトのことです。閉鎖性海域における豊かな  自然環境・社会環境創生のための   先端科学研究・教育の拠点形成自然共生社会に向けてResearch研 究03拠点形成研究 B沿岸域環境科学教育研究センター 教授(センター長)/拠点リーダー逸見 泰久 先生Intervieweeどのような研究内容か教えて下さい社会の問題を科学の力で解決しようという人たちが集まった研究チームです。世界人口の4分の3が沿岸域で生活しています。そのため、沿岸域の環境は、人間生活に大きな影響を与えています。特に熊本にある有明海と八代海は、干潟の面積が日本一です。しかし、ハマグリを指標にすると、熊本では漁獲量が日本一だったのが、最近は有明海や八代海の環境悪化のために、ハマグリだけでなく、アサリの漁獲量も減少しています。研究といっても発明ではありません。広い分野の人が研究チームに集まっているので、有害物質を調べたり、海底を調べたり、まちづくりの方法を提案したりと、それぞれの研究者の得意分野で研究を進めて、沿岸域に関わる自然のシステムを解明することで社会に貢献することを目指しています。私は生物学の視点で、ハマグリやアサリなどの二枚貝の生息環境や資源量調査などの研究を行っています。この研究がどのようなことにつながるか教えて下さい目指しているのは、「全国の海に生き物が昔のようにたくさん戻ってくること」、「人間と海が近くなること」です。沿岸域をより良くするためには、維持してくれる人や恩恵を受ける人がいることが大前提です。しかし最近は漁村の過疎化などで沿岸域の人口が減っています。また今は、海に対して無研究の概要 河川・沿岸環境の健全なマネジメントを目的に、自然環境・社会環境を構成する諸要素及び人間生活との相互関係を、自然・産業・歴史・文化・風土・景観等をふまえて解明します。上/ナメクジウオ調査(有明海)ナメクジウオは、きれいな海砂の海底に住む魚の祖先左/塩生湿地陸と海の境界にある塩性湿地は、最も脆弱な環境である“ 生き物と人間が 両方幸せになれる沿岸の 環境づくりを目指す ”QQ

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