えこあくと2015
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自然共生スタイル022Kumamoto University拠点形成研究Bとは学内公募を通じて選出された、時代を先導する新たな価値を産み出す研究プロジェクトのうち、今後世界トップレベルを目指しうる研究プロジェクトのことです。- 熊本大学の「環境配慮」に繋がる研究活動とは? その研究の最前線に立つ熊大の研究者に、学生がその思いについて聞きました -Interview“ 地域の農業・ 文化とバランスが取れた 地下水利用を考える ”どのような研究内容か教えて下さい私の大学院時代は、微生物を使って水質浄化を行う研究を行っていました。卒業後は、大阪市の環境に関する研究所に勤めて、廃棄物から出る浸出水の水質検査を行いました。その後、熊本大学に来て地下水の研究を始めました。その時に、熊本県の地下水は、美味しいことを知りました。地下水は、日本の中でも、熊本県と岐阜県だけが積極的に生活に利用しています。熊本市には江津湖という湖がありますが、この湖の水は、地下水が沸き上がって出来ています。世界的に見ても、非常に珍しい土地です。そのため、熊本の地下水を魅力的に思うようになりました。しかし熊本県の地下水は、農業や畜産の影響を受けやすいことが分かりました。さらに、熊本県にあった肥後藩は河川の水を使って農業を切り拓き、石高(こくだか)を高めたと言われています。このように水を使った文化があります。そこで農業と文化を考えながら、地下水の利用方法を科学的に考えようと思いました。この研究は私のライフワークでしたが、世の中にインパクトを与えるアウトプットに位置付けるために、数学や気象学、物理学などの専門家と一緒になって地下水の利用方法について研究しています。この研究がどのようなことにつながるか教えて下さい熊本県の地下水は、農業や文化の影響を受けています。最終的には、地下水に影響を受けやすい地域を科学的に探して、提案できるようにしたいと思います。地下水は限りのある資源です。計画的に、バランス良く地下水を使えるようにする必要があります。研究で楽しかったことは何ですか?研究は楽しいしかありません。研究を楽しくない人が、大学の先生にはなっていないと思いますよ。社会に期待される研究を行いたいと思います。QQQ上/現場調査風景  右下/現場調査風景左下/(上から)2014年度シンポジウム風景、実験室写真1(クロマト) 左/山田 聖 さん(工学部物質生命化学科4年)右/小林士朗 さん(工学部物質生命化学科4年)

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