えこあくと2015
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低炭素スタイル038Kumamoto University- 熊本大学の「環境配慮」に繋がる研究活動とは? その研究の最前線に立つ熊大の研究者に、学生がその思いについて聞きました -Interview“ 太陽光から効率よく  エネルギーを得る新素材を  化学的に研究する ”拠点形成研究Aとは学内公募を通じて選出された、時代を先導する新たな価値を産み出す研究プロジェクトのうち、エビデンスに基づき既に社会から高い評価を受けている世界最高水準の研究です。どのような研究内容か教えて下さい創エネルギー物質化学の名の通り、太陽光をメインとした新しい再生可能エネルギー、クリーンエネルギーを作るための新材料の開発を行っています。従来のエネルギーで問題となっている資源残量や環境汚染などのリスクを次の世代に負わせないためです。特に私は、太陽光の光や熱を利用して、水素を化学的に作ってエネルギーに変換する研究を行っています。この研究チームで、最先端の研究を行って、最適なものを開発して、新しい概念を生み出したいと思います。特に化学的な視点で、メカニズムを解明することが、高効率のエネルギー変換を可能とする鍵になると思っています。単に良いものができればいいということではなく、なぜ良いものができたか、どうして良くなったかといったことが大切で、それを考えることが研究の醍醐味です。この研究がどのようなことにつながるか教えて下さい様々な分野の複数の研究者が一つのチームとして活動するメリットとして、違う分野同士でも基本原理に立ち返れば共通している点があります。各分野同士の重ね合いで、エネルギー変換の更なる効率化をできる可能性が生まれます。エネルギー変換の効率というのは非常に重要で、内燃機関の効率はせいぜい40%程度です。1%向上するだけでかなり大きい影響となります。勝ち負けの話ではありません。すぐれた物質を開発して、デザインやメカニズムをサイエンスの形で明らかにしたいと思います。この分野は、応用指向ですので、産業化という出口が見えています。また、研究にはやはり資金が必要で、エネルギー開発に関わる研究者が一丸となることで構成員を増やし、複合的分野で生まれる興味深い研究を提示することで予算を潤沢にして充実した研究を行うことができます。特に、このプロジェクトは、次世代を担う若い研究者の育成に力を注ぎ、熊大から世界へ羽ばたく人材を生み出す起点となることも目指しています。頑張る学生には国際的な学会等での発表の機会を提供したりといった、様々なサポートも行っています。高校生や大学生に伝えたいメッセージはありますか?EnMaChはEnergy Materials Chemis-tryから取りました。「エンマッハ」と呼びます。研究を一層加速させるという意味を込めて付けました。この研究プロジェクトでは、人材育成も含まれています。これが大学の価値になるからです。良い学生が、世界中で活躍してほしいと思います。そのためには、自分の研究で得られる自らの発想を大事にしてほしいです。QQQ左/永井康樹 さん  (工学部物質生命化学科4年)右/山田 聖 さん  (工学部物質生命化学科4年)

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