えこあくと2016
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Kumamoto University017どのような研究内容か教えて下さい私の専門分野は工業材料としてのマグネシウムの研究です。このノートPCを持ってみてください。すごく軽いでしょう。15インチで980gしかないんですよ。この外装部分に使われているのがマグネシウムです。マグネシウムは最も軽い金属なので、これを工業製品の部品に使うことができれば軽量化できます。例えば、自動車の部品をマグネシウムで軽量化すれば、燃費が向上して排気ガスを低減させることができます。以前はマグネシウムを工業材料として使うことは危険と考えられていました。マグネシウムには、かつて写真のフラッシュとして使われていたように強い発火性があるからです。しかし、我々は新たなマグネシウム合金を開発することにより、発火しないKUMADAIマグネシウム合金を作り出すことに成功しました。KUMA-DAIマグネシウム合金はアメリカ連邦航空局の判定基準をクリアして、航空機の開発にも使われる道も拓けてきました。この研究がどのようなことにつながるか教えて下さい実はマグネシウムは人体にも含まれています。人体に含まれる金属の内、マグネシウムは4番目に多い金属で、年月とともに人体に吸収されていく性質があります。これを利用して血管を拡張させるステントを開発しています。このステントを使えば、血栓の治療が終わった後で体内にステントが残りません。KUMADAIマグネシウム合金の 国際研究教育拠点低炭素社会に向けてResearch研 究01拠点形成研究 A拠点形成研究Aとは学内公募を通じて選出された、時代を先導する新たな価値を産み出す研究プロジェクトのうち、エビデンスに基づき既に社会から高い評価を受けている世界最高水準の研究です。金 鍾鉉 先生Interviewee先進マグネシウム国際研究センター特任准教授“ 世界一を作る 先進マグネシウム技術 ”QQ

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