えこあくと2016
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Kumamoto University019創エネルギー物質化学(EnMaCh)低炭素社会に向けてResearch研 究02國武 雅司 先生Interviewee大学院先端科学研究部(工学系)教授拠点形成研究 Aどのような研究内容か教えて下さい社会を支える様々な機器は部品から、また、その部品は様々な先端材料の組み合わせから作られています。先端機器の進歩には材料の進歩が欠かせません。現在は新しい素材の組み合わせによる全く新しい材料が求められています。私の研究は、主にポリマー(高分子)をベースにした複合材料「元素ブロック高分子」をターゲットにしています。材料の研究には、作成(合成)、構造、特性の3つの観点があります。以前は、闇雲に作成条件を変えて様々な材料を作り比較して、最適な条件を探すことが一般的でした。現在ではナノ構造を調べることが可能となり、作成条件とナノ構造、ナノ構造と特性の関係性を明らかにする研究が行われています。原子や分子が勝手に並んで構造を作り出すことを自己組織化と言い、私はこれを利用したナノ構造の制御を研究しています。分子や原子を直接観察できる走査型プローブ顕微鏡を駆使して、分子が動きたいように動きながら、整然と並んだ構造を作り出す様子を観察しています。「分子がどう動きたいか、分子の気持ちで考える」が研究室のモットーです。この研究がどのようなことにつながるか教えて下さい成果の一つとして、分子が二次元に格子状に並んだナノシート(参照:二次元分子半“ 分子の気持ちで考える  材料化学 「元素ブロック高分子」 ”QQ左/1年生向けのものづくり授業 身の回りのものを使って、化学や物理の基礎を実体験してもらう授業を行っています。写真は、携帯電話を分解して、普段、ブラックボックスとして見過ごしている機器の中と、そこで使われている材料を考えてもらっているところです。右上/溶液中の固体表面で、分子が勝手に繋がってできた(自己組織化)二次元分子半導体格子のプローブ顕微鏡像右下/新たに研究室の仲間になった留学生の歓迎会の様子

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