えこあくと2016
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低炭素スタイル020Kumamoto University導体格子のプローブ顕微鏡像)など、今までにない多様な有機半導体ナノシートを作り出す技術の開発に成功しました。現在の無機材料に基づいた半導体技術から脱却し、有機ポリマーから作られた半導体技術が強く期待されています。軽く、薄く、柔らかく、安いポリマー半導体が世界を変えるかもしれません。開発された作成技術は、大がかりな装置や厳しい反応条件や大きなエネルギーを必要としない、省エネ・省コストな方法です。日本の強みのひとつは化学材料の開発力ですが、常に激しい国際競争の中にあります。多くの卒業生が、様々な企業で研究者、開発者として、今までにない新しいものを生み出そうと頑張っています。研究室での研究活動を通じて、常に自分で考える力(思考力、発想力、妄想力)を磨き、活かしているはずです。高校生や大学生に伝えたいメッセージはありますか? 自分の知らない世界に思いを寄せ、想像し、妄想することが大事です。私はSFがとても好きで、小説も漫画も映画も大好きです。現代はネット社会で、検索することで即座に多くの情報を得ることが可能です。しかし情報すなわち答えではありません。研究開発も、皆さんが直面するであろう進路選択も、答えのない答えを探す作業です。ググるだけで思考が停止するようでは、未知に立ち向かう判断力も、判断に必要な研究の概要 究極の持続可能な一次エネルギー源は無尽蔵な太陽エネルギーです。太陽光および太陽熱から電気や水素などの二次エネルギーを生産するには、太陽電池、熱化学触媒などが、またその利用においては水素製造触媒・燃料電池・二次電池・キャパシタなどの材料が必要です。本拠点では、これらエネルギー製造と利用に必須の物質に関する科学技術を、新規な物質の設計と作動原理の創出、さらには応用研究を展開することを目的としています。- 熊本大学の「環境配慮」に繋がる研究活動とは? その研究の最前線に立つ熊大の研究者に、職員がその思いについて聞きました -InterviewQ左/福田 直子 さん、 右/日髙 悠希 さん(共に大学院先導機構URA推進室 研究コーディネーター(URA)) 中/渡邉 智 先生(大学院先端科学研究部(工学系)助教)※高分子材料(國武研究室)所属想像力も論理力も磨かれません。SFは思考実験としての科学そのものであり、妄想力や論理的な想像力が養われます。答えだけを求めようとするのではなく、好奇心の赴くままに、もしこんなものがあったらというifの世界を妄想して欲しいと思います。点としての情報ではなく、理解を伴い網目のように3次元的に繋がった広範な知識とやわらかい思考力、それが未知のものに立ち向かえる応用力です。

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