えこあくと2016
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低炭素スタイル022Kumamoto Universityこの研究がどのようなことにつながるか教えて下さいエネルギー消費量と等価のCO2の部門別比率ですが、主要な部門である産業・輸送・サービスがそれぞれ1/3ずつ占めています。そのうちの輸送とは交通・運輸のことで、その中で自動車交通の割合は8割を占めています。従って、CO2の総排出量の1/4を自動車交通が排出していることになります。さらに、サービス部門には病院やホテル、商店街からの排出ですから、まさに街(都市)の構造やサービスにあたるため、実はこれらも私の研究に関連してきます。都市計画とは、都市計画を行う区域を決め、その中で市街化を促進するところと促進させないところに分けます。都市計画では、人が住んでいるところだけではなくて、農林水産業との調和を図りつつ、効率で住みよい都市を作るためにはどうすれば良いかを考えます。つまり、自然を保全するところと都市機能を促進するところのメリハリをハッキリさせるのです。ところが、人口が増えたり、経済が発展したりして都市が成長するときには、都市の周辺部にミニ開発が始まります。そのような場合でも、行政は市民に、道路や上・下水道などのインフラを整備しなければなりません。しかし、人口密度の低いところへのインフラ整備はロスが大きく、行政コストは割高になります。以前ほどの開発圧力がなくなり、かつ財政が逼迫してきている今日、膨らんだ都市を出来るだけ集約化して住んでもらうようにしなければなりません。そうすることで、過度な自動車利用の抑制やサービス部門での消費エネルギーの節約に繋がり、経済的にも、環境的にも(エコ)、エネルギー(エネ)の側面からも持続可能な都市であるコンパクトシティが実現可能となると考えています。高校生や大学生に伝えたいメッセージはありますか?エコ・エネ研では、キャンパス間やまちなかへの所用のための移動手段として、車を使わないで学内に設置した電動アシスト自転車を利用する「電チャリプロジェクト」を実施しています。インターネットを通じて予約を管理し、自転車に装着したGPSから得られる移動距離から算出したCO2排出削減量を利用者に提供することで、自動車から自転車の利用をさらに進めてもらうような取り組みを行っています。電チャリは学内に設置された太陽光パネルで発電された電気をバッテリーに蓄えて充電しており、本プロジェクトは、真に『創・蓄・省エネルギー』の循環モデルでもあります。「電チャリプロジェクト」は、現在はエコ・エネ研で運営していますが、将来的には、学生達に運営してもらいたいと考えています。学内には多くの放置自転車があり、毎年有料で処理している状況です。そこで、学内にある放置された放置自転車の整理、自転車のメンテナンス、貸し出し・返却業務、さらにこれらのシステム化など、エコをサイクルとした事業を企画・運用・運営するなど、新しいことへのチャレンジ精神、まさに起業家精神を築き上げて欲しいとも考えています。- 熊本大学の「環境配慮」に繋がる研究活動とは? その研究の最前線に立つ熊大の研究者に、職員がその思いについて聞きました -Interview左/和田  翼 さん(社会連携課 研究コーディネーター(URA))右/松浦 佳子 さん(社会連携課 研究コーディネーター(URA))QQ研究の概要 本学工学部では、低炭素社会の実現のために、学科を超えて研究者を募り、エコ・エネ研究会を発足させました。活動内容は、学内教員、学生および学外者への啓発のためのエコ・エネ講演会の開催、自然エネルギーの効率活用とスマートグリッド化の開発を行っています。“ 人のQOL向上に繋がるコンパクトシティを 目指して! ”

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