えこあくと2016
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Kumamoto University035閉鎖性海域における豊かな  自然環境・社会環境創生のための   先端科学研究・教育の拠点形成自然共生社会に向けてResearch研 究03拠点形成研究 B政策創造研究教育センター准教授田中 尚人 先生Intervieweeどのような研究内容か教えて下さい文化的景観の保全をテーマに研究を進めています。人々の生活の中にある建造物や自然環境を、住んでいる人々や行政、理工学の研究者のあいだを橋渡ししながら、景観の保全についてのあるべき形を見出していく研究をしています。街作りのマネジメントを行うプロデューサーとして、人々があるべき社会のビジョンを描く環境作りを行うといっても良いかもしれません。専門家と一般市民が対話を進めていくなかで、答のないものに解を見出す「成解」を見つける手助けをしています。もともとは、土木構造物や都市の歴史と景観を調べる研究をしていました。いまは,文化財の一つである文化的景観の保全をテーマに研究を進めています。「地域らしさ」を、地域固有の自然環境、歴史、生活・生業から読み解いて、その仕組みを先人から引き継ぎ、僕たちの子孫に伝えていくために、地域住民の方々や行政、さまざまな研究者のあいだを橋渡ししながら、その土地らしい風景をつくっていくための研究や実践をしています。そんな仕事をしているので、よくまちづくりのプロデューサーとして、呼ばれることも最近増えてきました。みんなで、自分達が暮らしたいまち、あるべき社会のビジョン(理想像)を描く、お手伝いをしているといっても良いかもしれません。専門家や行政を含め、市民の皆さんが対話を進めていくなかで、なかなか答えがでないもの、見つけにくい時などにも、「こうしていこう!」という解を創る、「成解」を創る仕事も増えてきました。この研究がどのようなことにつながるか教えて下さい文化的景観は地域のアイデンティティに繋がっています。地域の利害関係者が、当事者意識を持ちながら「成解」を見出そうとすることで、理想の街作りに近づけられます。地域の中高生が街作りを自分事として考え、故郷に貢献してくれるようになると良いですね。文化的景観は、難しい言葉で言うと「地域アイデンティティ」に繋がっていると考えています。地域の人々が、まちづくりを他人事に研究の概要 河川・沿岸環境の健全なマネジメントを目的に、自然環境・社会環境を構成する諸要素及び人間生活との相互関係を、自然・産業・歴史・文化・風土・景観等をふまえて解明します。右上/2016年7月長島町で行った行政、漁協、地域住民の方々とのワークショップ左上/2015年12月に行った三角小学校のワークショップ児童たちが世界文化遺産となった三角西港の魅力を伝えるガイドブックを作製しました下/2015年11月に行った熊本市中央区まちづくり事業「大井手の楽校」運営スタッフの笑顔QQ

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