えこあくと2016
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Kumamoto University051キーワード : 生物多様性分 類 : 自然共生スタイル大学院自然科学研究科(理学系)准教授 藤井紀行阿蘇の草原植生の特徴 阿蘇の草原は、野焼きや採草、放牧など人々の営みと自然の力が釣り合った形で維持されてきた半自然の草原です。この草原には、ハナシノブなど国内で阿蘇だけにしか自生していない植物が数多くあって、草原性植物の宝庫として知られています。阿蘇の草原の中で最も生物多様性が高いのは、毎年秋に草刈りが行われる採草地ですが、阿蘇全域で採草地の植生を調査した結果、地域によって違いがあることがわかりました。最も出現種数が多いのが阿蘇市波野や高森町の東外輪上の草原で、2m×2mの方形区に平均30種ほどが生育しています。それに対し、西原村や阿蘇市車帰など西外輪では平均15種前後でした。また、草原に多く見られる優占種も異なっていて、西外輪ではススキやネザサで覆われているのに対し、東外輪ではネザサがほとんど見られずススキのみの草原が広がっています。なぜこのような違いがあるのか、その要因について現在研究を進めています。執筆者:大学院自然科学研究科博士後期課程3年 瀬井純雄採草地に咲くユウスゲ採草地に咲くユウスゲ宮城教育大学との意見交換会観光ボランティア「Kumarism」熊本大学COC地(知)の拠点整備事業より、2015年度に行った地域志向研究型プロジェクトをご紹介。活動コラムFile.03「阿蘇草原再生プロジェクト」に資する阿蘇地域の草原植生および自然環境調査2015年度COC事業地域志向研究型4月14日・16日に発生した「平成28年熊本地震」後の学生たちの様々な活動や取り組みをご紹介します。学生ボランティア平成28年熊本地震

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