えこあくと2016
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Kumamoto University053どのような研究内容か教えて下さい私の専門はパルスパワー科学というもので、電磁エネルギーを時間・空間的に圧縮して蓄積し、それをパルス化した大電力として取り出す技術です。パルスパワーの特徴は、その出力を自在にコントロールできることにあり、高電界(高電圧のかかった空間)や化学反応性に富むプラズマを発生させ、幅広い応用研究がなされています。私自身、学生の頃は排気ガス中の窒素酸化物を分解して無毒化するという、環境をテーマにした研究を行っていました。現在は、環境分野に加えて、バイオエレクトリクス(パルスパワーの生体作用とこれを利用した応用研究)という複合研究領域で生体を対象とした研究を中心に進めています。この技術では、パルス電磁エネルギーで生成される極限状態を生体へ作用させることで、特定の細胞や細胞内の構造物にだけ負荷を与えることが可能です。この性質を利用して、細胞内への物質導入や植物の生育制御、有害生物の駆除などを行っています。この研究がどのようなこに繋がるか教えてください我々の強みは、必要な出力のプラズマや電界を自在に生み出すことができるパルスパワー発生装置を、印加対象に合わせて自分たちで作り出せることです。例えば、出力を制御することで、生体の成長を抑制したり、逆に刺激を与えて活性化した循環型社会に向けてResearch研 究01王 斗艶 先生Intervieweeパルスパワー科学研究所 准教授QQパルスパワー科学研究所“パルスパワー技術で 未知のシーズを創出する”

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