えこあくと2017
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自然共生スタイル018Kumamoto Universityされたことによって生じていると考えられています。ダム撤去によって川や海の環境にどのような変化や現象が生じるのかを明らかにすることで、ダムの影響やアユの生息場を修復するためのヒントが得られると考えています。研究で楽しかったことは何ですか?「このような結果が出るだろう」と予測したことが、その通りになった時や予測できなかったことが新たにわかった時です。みなさんも、数学などで解けない問題が解けたとき、うれしく達成感を感じると思います。それと同じですね。物事の仕組みを理解し、「なるほど」と納得するプロセスは、とても楽しいです。研究したことが川づくりや自然環境の保全につながり、生物や人々が心地よく暮らせたらいいなと思っています。“ アユの暮らしやすい    川を作ろう!”高校生に伝えたいメッセージはありますか。部活、勉強など、何かに熱中してほしいと思います。そして、自分の関心・興味があるものを見つけて追及していってほしいと思います。また、広く知識をもつことも大切です。高校生も忙しいとは思いますが、本を読んだり、政治や国際情勢のことに関心をもったり、イベントやボランティア等に参加したり、行ったことがなかった場所にいったり、広くアンテナを張り知見を増やしてください。すぐに何に役立つかは分かりませんが、アイデアやものを考える際の引き出しになり、人生を豊かにすると思います。友達もたくさんつくり、残りの高校生活も楽しんでください。QQ国立大学法人機能強化促進補助金とは文部科学省による、各大学の強み・特色をいかした機能強化のため、運営費交付金による支援に加え、意欲的な教育研究組織整備等を支援する、新規に創設された補助金- 熊本大学の「環境配慮」に繋がる研究活動とは? その研究の最前線に立つ熊大の研究者に、高校生がその思いについて聞きました -Interview中/濱田 朋華 さん、右/國本 菜月 さん  (共に熊本県立済々黌高等学校 2年) 左/秋山 秀樹 さん、児玉 紗友里 さん  (大学院自然科学研究科社会環境工学専攻)中央/ダム撤去によってよみがえった瀬。   2017年8月の調査ではDNA量が最も大きかった。 左/DNA 抽出作業。 下/図 球磨川における河川水中のアユの環境DNA濃度。研究の概要 熊本大学が、長年に渡り取り組んできた有明海・八代海の自然環境・社会環境に関する研究・教育を、流域圏を重視する視点で推進し、また、学生・市民・行政と協働して問題に取り組むことで、「豊かな自然環境・社会環境の再生・創生」を推進する総合的・実践的な研究を行っています。また同時に、人材育成のための教育プログラムも推進しています。

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