えこあくと2017
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自然共生スタイル022Kumamoto University- 熊本大学の「環境配慮」に繋がる研究活動とは? その研究の最前線に立つ熊大の研究者に、高校生がその思いについて聞きました -Interviewあるのですが、生物を形作るのに重要な栄養素である窒素が多く流れ込み、海の栄養のバランスが崩れてしまったということが問題になりました。それを改善するために窒素の流れ込みを防いだり、干潟を耕したりすることによって有明海の環境は改善しつつあります。このように、生物に悪い影響を与える栄養素を見つけた時に、その原因、対処法などを考え生物が生きるのに適した環境の開発を行っています。研究で楽しかったことは何ですか?水といっても、水が関わる範囲は広く、また細かいので、まとめるのにとても時間がかかり、大変です。その中でも、特に化学に基づいた細かい計算に時間がかかるのですが、地道に計算して、メカニズムが分かったときが嬉しいです。努力したものが形になるとやっぱり嬉しいですね。今後、水と社会がどのように関わっていくのが一番よいと思いますか? 今、世の中は人にとって大変都合のよいものになってきている一方で、あるところでは水質の悪化が起こったりして、自然に悪い影響を及ぼしています。人が何かを作るとき新しく土地を作ったりするときも、もちろん生物や自然に与える影響の把握をする必要があります。生物と水と人間と環境は、大変密接に関わっており、多岐の分野にわたります。今後、自然をできるだけ壊さない社会の発展が望まれます。高校生たちにメッセージはありますか?今、皆さんはなぜ勉強するのかと思うことがあると思います。勉強していく上で、考える力が身についていくと思います。それは、将来、必ずどこかで役に立つと思います。考える力だけでなく、粘り強くやり続ける力も大事です。自分は、学生時代は意味も分からず勉強していましたが、大人になって、その勉強をする中で身についた力が大切なのだと分かりました。勉強だけでなく、部活や自分の好きな事に関しても、粘り強くやり続けてほしいと思います。右/森  上から/川、干潟森から海までを研究フィールドとしています。左上/森の土森で育まれた土は沿岸の生物にとって重要な成分を含んでいます。拠点形成研究Bとは学内公募を通じて選出された、時代を先導する新たな価値を産み出す研究プロジェクトのうち、今後世界トップレベルを目指しうる研究プロジェクトのことです。研究の概要 地下水は世界的に重要な、持続的かつ戦略的な水資源です。しかし、特に水循環速度が速いと考えられるアジアなどモンスーン域では、不適切な地下水管理による水量低下、水質汚染が懸念されます。本研究では、熊本を地下水研究のモデルと位置付け、理、農、工、経済、社会、など文理に亘る研究分野を連携させ、水循環機構、水質保全、水資源管理政策等に関わる先駆的研究を進めることで、地下水の永続的利用を可能にする流域圏のグランドデザインを確立しようとするものです。右/犬塚 淑乃 さん (熊本県立済々黌高等学校 2年)左/工藤 みこと さん (熊本県立済々黌高等学校 2年)QQQ

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