えこあくと2017
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低炭素スタイル042Kumamoto Universityパルスパワーは、極限的な場を介して物質科学や生命科学に変革をもたらします。パルスパワー科学研究所は、パルスパワー科学技術を通して、イノベーション創出とグローバル人材育成に取り組みます。使命として、パルスパワー科学の基礎研究と新しい学理構築、及びそれを基盤とした異分野融合による国際的課題解決を推進すると共に、世界で活躍する若手研究者・技術者を育成することを使命とします。パルスパワー科学研究所部局の活動Environmental initiatives of faculty- 熊本大学の「環境配慮」に繋がる研究活動とは? その研究の最前線に立つ熊大の研究者に、高校生がその思いについて聞きました -Interviewどのような研究内容か教えて下さい私が研究していることは大きく分けて二つあります。一つ目は光物性です。光物性とはレーザー光を使うことによって物の性質を調べることです。私は、光物性の研究を約30年続けています。この研究によって、性質があまり判明していない物質を調べ、環境にやさしい社会にするために役立てていくことが目的です。二つ目はデータ駆動科学です。これは、人工知能をデータの解析に取り入れることにより、今まで分かっていなかったことを解析し新たな発見を見つけ出しています。この研究がどのようなことに繋がるか教えてください光物性の例を挙げると太陽光発電です。現在の発電ではシリコンを主な素材としています。しかし、これには限界があり25%以上の効率を超えることは不可能でした。そこで、物質の性質をより詳しく調べることにより、新たな素材となる物質を見つけ、太陽光発電に活かしていくことです。データ駆動科学では、今までの解析方法では少しの情報しか引き出せなかった物質の情報を得るために、新しい解析方法として人工知能を使っています。日本を救うためには効率が必要です。そのためには人工知能の存在が必要不可欠です。研究で楽しかったことは何ですか?研究は、ほかの人がやっている事とは違うことをしていかなくてはいけません。しかし、最終目標が同じ人もいます。私は自分の研究分野では自分が一番最前線を走っていると思っています。そのプライドを持ってほかの研究者に負けないような研究を行っています。また、社会に貢献できる可能性がある研究をするのは、楽しいことです。高校生や大学生に伝えたいメッセージはありますか?これから皆さんは進学や就職をしていくと思います。そこではたくさん迷うこともあると思います。しかし、人生は長いので迷うことはとても大事なことです。そんな皆さんへのアドバイスは「自分の強みを二つ作る」ということです。二つ強みを持っていると片方が失敗してしまったとしても、もう片方に切り替えていくことができます。また、その強みは人生の中で役に立つ時が来るでしょう。私は、物理とパソコンが得意でした。今では、物理を主に研究していますが、パソコンの知識も持ち合わせていたためデータ駆動科学に役立てることができています。長い人生の中で自分がやりたいことができる環境を目指してください。周りに流されず自分の中で決めることが大切です。自分の適性を理解し、それに見合うものを選べる力を身につけましょう。QQQQ左/村上 慶介 さん中/正木 智洋 さん右/三浦 大輝 さん(ともに熊本県立第二高等学校 2年)“光物性と データ駆動科学を駆使した 未来を見つめた環境作りを”

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