環境安全センター年報vol.6
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01Kumamoto UniversityAnnual Report of Environmental Safety Center 本年でセンター長2年目になりました。先の年報ではセンターの目的について述べましたが、ここでは業務について述べたいと思います。環境安全センターの業務は多岐にわたっていますが、主なものとしては、全学生への環境安全教育、薬品の管理、廃液等廃棄物の管理と処理、水質、大気等の環境測定などがあります。そして、センター予算のほとんどは、後者の3つの業務に使用されています。 全学生への環境安全教育では、平成23年度より教養教育に「ベーシック」という新しい科目ができ、安全教育と環境教育に分けられて、それぞれベーシック科目に加わりました。安全教育については新入生1585人が受講し(受講率87%)、環境教育については1675人(受講率92%)が受講しました。受講率は高く、教養教育として環境安全教育が適切に行われています。 薬品の管理としては本学ではYAKUMO(薬品管理支援システム)を使用しています。センターとしては、すべての薬品がYAKUMOに登録され、管理されることを最終目標としており、そのために平成23年度は、計7回、YAKUMOの説明会を学内で行いました。特に平成23年度は、毒物および劇物の管理の徹底を目標に、YAKUMOから出力される在庫一覧表を利用して、各グループで所有している毒物・劇物の棚卸しを行いました。本年度も5月から行っています。また、年に2回、不用薬品の回収を行い、さらに、退職者の不用薬品をすべてセンターで集め、管理下に置かれていない薬品がないように努めています。 廃液等廃棄物の管理および処理が円滑に進むように、毎年少しずつ改良を加えています。昨年度、実験廃液貯留区分を熊本大学独自の基準から処理委託業者に配慮した基準に変更しました。これにより業者は廃液の処理がしやすくなりました。さらに、実験廃液の管理を確実にするために、貯留スキームをすべての実験従事者に配布しました。本年度からは、廃液の回収を年6回とし、有機廃液と無機廃液を同時に集めています。これにより、研究室に大量の廃液が貯蔵されることがなくなりました。また本年度より、一般廃棄物と実験廃棄物を明確に分け、実験廃棄物は月2回回収し、すべて産業廃棄物として業者に処理を委託することになりました。これにより、大学内において、一般ごみに実験廃棄物が混入するようなことがなくなります。 われわれの出した排水は、そのほとんどが公共下水道に流れ込みます。昨年度、残念なことに、公共下水道入口で採水した排水に、本荘地区でノルマルヘキサン抽出物質含有量、黒髪北地区で浮遊物質量の基準値超過がありました。ノルマルヘキサン抽出物質は、下水道管を詰まらせ、処理場での生物処理の機能を低下させます。また、浮遊物質も同様に下水道管を詰まらせ、下水道管内の清掃回数を増加させます。本年5月、ヘキサメチレンテトラミンが川に流され、川の水から取水していた関東の浄水場で、塩素消毒した際、ホルムアルデヒドが発生して飲料不適になる事件が起こりました。不注意が予想もしない結果をもたらすこともあります。実験室排水に、なお一層の注意を払われますようお願いいたします。 最後に、環境安全センターへのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。環境安全センター年報Vol. 6の発刊にあたって環境安全センター長小川 芳弘

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