環境安全センター年報vol_7
4/44

01Kumamoto UniversityAnnual Report of Environmental Safety Center本年でセンター長3年目(二期目)になりました。本年報では平成24年度を振り返るとともに、二期目(平成25,26年度)の抱負について述べたいと思います。センターでは全学生への環境安全教育を行っています。平成24年度より、2年生を対象とした教養教育「くらしと環境入門D:環境に配慮した活動とくらし」を新しく開講しました。講義内容は環境報告書を読んで個人または集団で討論するというもので、69名が受講しました。また、教養教育「ベーシック」での環境安全教育では、新入生1,606人が受講しました(受講率88%)。受講率は高く、教養教育として環境安全教育が適切に行われていると考えられます。熊本大学環境報告書は、愛称として「えこあくとeco-act」と名づけられ、環境安全センターで編集しています。「えこあくと2012」は、環境省と財団法人地球・人間環境フォーラムが主催する「第16回環境コミュニケーション大賞」の「環境配慮促進法特定事業者賞」を受賞しました。レイアウトが工夫されており、読みやすい報告書として高い評価を受けました。今後もわかりやすい報告書をめざしてがんばりたいと思います。廃液等廃棄物の管理および処理が円滑に進むように、毎年少しずつ改良を加えていますが、平成24年度より廃液の回収を年10回とし、有機廃液と無機廃液を同時に集めています。これにより、研究室に大量の廃液が貯蔵されることがなくなりました。また平成24年度より、一般廃棄物と実験廃棄物を明確に分け、実験廃棄物は月2回収集し、すべて産業廃棄物として業者に処理を委託しています。現在、センターで一番の問題は排水に関することです。われわれの出した排水は、そのほとんどが熊本市の下水道に流れ込みます。そのために、定期的に水質検査を大学で行っていますが、平成24年度はノルマルヘキサン抽出物質含有量と生物化学的酵素要求量(BOD)の基準値超過がありました。水素イオン濃度(pH)に至っては基準値超過が6回もありました。センターとしてはこのような状況に危機感を持ち、熊本市の上下水道局の方にお願いして、10月18日に「下水道の排出基準について」という演題で講演会を行いました。しかし、残念ながら同月31日の熊本市による抜き打ち水質検査で「生命資源研究・支援センター動物資源開発研究施設本館」と「エイズ学研究センター・生命資源研究・支援センター動物資源開発研究施設新館」からの排水が法令の水素イオン濃度の基準値を超過していたことがわかりました。その後の調査で、その原因が動物を飼育する施設において、アルカリ性洗剤を使用して洗濯機9台を頻繁に稼動させていたためであることがわかり、アルカリ洗剤を中性洗剤に変えることにより改善しました。従来は、基準値を超えたときのみ「排水管理の徹底について」という依頼文書を部局長に出していましたが、この事件以降、基準値の2/3を超えた場合、およびpHが8.5を超えるか、6.5を下回った場合は注意喚起を促す文書を出すことに決めました。注意喚起を繰り返すことにより、今後、基準値を超えなくなることが期待されます。二期目は排水管理の徹底を目標に頑張りたいと思います。環境安全センター年報Vol. 7の発刊にあたって環境安全センター長小川 芳弘

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です