環境安全センター年報vol_8
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01Kumamoto UniversityAnnual Report of Environmental Safety Center本年でセンター長4年目になりました。本年報では平成25年度を振り返るとともに、熊本大学の安全問題について少し述べたいと思います。私は熊本県北部の合志川のすぐ傍に住んでいます。平成24年7月12日の午前6時ごろ、玄関のドアを激しくたたく音で目を覚ましました。何事かと思って、玄関を開けたところ、自治会長さんが立っており、合志川が氾濫したのですぐ避難するようにとのことでした。もうすでに道路は冠水していましたが、日ごろから避難経路を確認していましたので、何とか車で逃げることができました。幸い、私たちの団地は道路よりもかなりかさ上げしていましたので、家への被害はありませんでしたが、泗水町商店街と植木温泉街は床上まで泥水が流れ込み、後かたづけが大変だったようです。これを機会に、市から防災情報が入るように、携帯電話に登録しました。熊本大学では平成24年度に「健康・安全の手引」を改訂し、平成25年度には英語版「Health & Safety Manual」も作成しました。3ページから25ページにかけて、「もしものことに備えて」ということで、防災情報の入手方法、避難場所、地震対策、風水害対策、火災への対応、ケガへの対処など緊急時に必要なことがすべて網羅されています。また、26ページから72ページにかけて、教職員・学生の安全と健康を確保するには、どのようなことに気を配ればよいか、について述べられています。ぜひ、ご一読ください。環境安全センターでは、ベーシックにおける安全教育として「生活のまわりのリスク」というパートを開講しています。平成25年度は、学部新入生1820人に対して1572人が受講しました(受講率:約86%)。電気を使えば、感電や火災の可能性が、放射線を使えば、放射線障害の可能性が、薬品をつかえば、爆発や発火、薬品中毒など様々な事故が起こる可能性があります。事故が起こる可能性をゼロにすることはできませんが、安全対策により、ゼロに近づけることはできます。日頃より安全に対して注意をはらい、用心深い行動をとることが、結果的に安全対策になるものと思います。環境安全センターではHPに「最近体験したヒヤリ・ハット事例」を載せていますので、一度、HPをのぞいてみてください。現在、センターで一番の問題は排水に関することです。われわれの出した排水は、そのほとんどが熊本市の下水道に流れ込みます。そのために、定期的に水質検査を大学で行っていますが、平成25年度は法令基準超過が12件あり、そのうち、水素イオン濃度(pH)の基準値超過が8回もありました。平成24年度に本荘中地区で排水pH異常が発見されたことをうけて、試験的に、平成25年度に24時間pH監視が可能な「貯留槽pHデータ集中管理システム」を導入しました。機能として、貯留槽に設置したpH計が示すpHと温度の値を記録計に記録し、学内LANを通じて黒髪北地区にある環境安全センターのパソコンに送り、専用のソフトウェアで受信します。10分ごとにpH値を受信し、異常値が発生した場合は、メールにより関係者に通知することができます。現在、pH計は本荘中地区のエイズ学研究センターの貯留槽1箇所に設置していますが、うまくいけば順次測定装置を増やして、一度でも法令違反のあった排水に対しては、24時間 pHを監視する体制を整えたいと思います。環境安全センター年報Vol. 8の発刊にあたって環境安全センター長小川 芳弘

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